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第29回「桃陰文化フォーラム」報告      H25.11.22

11月16日(土)午前10時から多目的ホールにおいて第29回「桃陰文化フォーラム」が開催されました。

今回は「ピアノ ソプラノ ヴァイオリンによるオータムコンサート」と題し、秋恒例のクラシック・ミニコンサートです。本校音楽科講師の密山(池川)宏美先生にご出演を依頼し、大阪府立夕陽丘高校音楽科の同窓生お二人にもご出演をいただきました。お三人とも関西を中心にご活躍の若手で、おかげさまで人声・ピアノ・ヴァイオリンとふつうの三倍楽しめる演奏会になったような気がします。

まず黒のドレスで登場されたのはピアノの大谷洋子先生。初めにショパンの有名な「小犬のワルツ」、思わず喜々として跳ね回る小犬を連想、続いてスペインの作曲家グラナドスの「エピローゴ」、初めて聞く曲でしたが熱烈なショパン崇拝者だけあって情熱的な曲でした。最後に再びショパンの「黒鍵」。一音一音が粒だった演奏だと感じました。(先生はラストの無伴奏ヴァイオリン・ソナタまで、ずっと出ずっぱりで伴奏されました。お疲れ様でした。)

10分休憩の後、二番手として黄色のドレスに身を包まれた池川宏美先生がご登場、観客の生徒たちもふだんの教室で見る密山先生との違いに驚きの表情。ジョルダーニ「美しい人よ」(先生の言によると、声楽の勉強は世界何処でもこれから始まるそうです。)、モーツァルト「耐えがたい苦痛のなか」(初めて聞きましたがそれもそのはず、日本の演奏会で披露されるのはおそらく初めてトイウアリア)、続いてドニゼッティーの歌劇「ランメールのルチア」から「あたりは沈黙に閉ざされて」、最後に誰もが一度は耳にしているプッチーニの「私の愛しいお父様」(歌劇「ジャンニ・スキッキ」より)の独唱、あの華奢な身体からどうしてこんな声が出るのかという驚きが場を支配していました。

再び10分休憩の後、待谷翠先生はヴァイオリンとしてはやや小ぶりの愛器を携え、赤のドレスで登場されました。初めにモーツァルトの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタK。301」。みずみずしいヴァイオリンの響きとピアノとのハーモニーのよさが印象的、次にイザイ作曲「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番」が演奏されました。恥ずかしながらイザイの曲を耳にするのは初めてだったのですが、先生もおっしゃっていたとおりバッハの影響と、時々引用される「グレゴリオ聖歌−怒りの日」が強く胸に響きました。三名の先生方、いずれ劣らぬすばらしい演奏だったと130名あまりの聴衆は皆感激しているようでした。ありがとうございました。

その後、先生方に音楽部・吹奏楽部の代表者から花束が贈呈され、参加者からいくつかの質問が出されましたが、どれにも丁寧に答えていただきました。お忙しい中、ご演奏下さった大谷洋子先生、池川宏美先生、待谷翠先生にあらためてお礼を申し上げます。また、会場設営・片づけに精を出してくれた生徒諸君、ありがとうございました。