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第17回「桃陰文化フォーラム」報告
第17回「桃陰文化フオーラム」 ご報告
さる5月30日(土)の午後2時から、第17回「桃陰文化フォーラム」―『私の歩んできた道』と題する作家北 康利先生(天高31期生)による講演会が、生徒・保護者・卒業生・一般参加者等100名近くの聴衆を迎え、天王寺高校視聴覚教室で開催されました。(当日は大阪日日新聞の取材も入り、近日中に写真入りで掲載される予定です。)
ご存知のように北先生は執筆・講演活動と非常なご多忙の中、母校での講演を光栄と言ってくださり、わざわざ東京からお越しくださいました。
早めに到着し、美章園商店街をぶらついたがあまり雰囲気は変わっていなかったこと、しかし天高周辺が様変わりしていて迷ったことなどをお話になり、在校中の厳しかった恩師の言行や小野十三郎・開高健の講演会を懐かしそうに回想され、作家として立つまでにも執筆の助言や本の編集者として天高の先輩の世話になったこと、東大法学部に進学したが法律の勉強になじめず当初官僚から政治家へという気もあったが富士銀行に入行したこと、そこで敗北感も味わったが「どんな時間にも無駄なものはない。」と気づき、客に喜ばれるためがんばり褒美としてイタリア留学できたこと、現地の生活の中から人生を楽しむことも大切だと学んだこと、その後証券業界に移り外債やM&Aを手がけたこと、お父上が亡くなられたことで「死に方は決められない、今、元気な時にどう生きるかが大切だ。」との考えから作家を志されたこと、三田とのかかわりから白洲次郎との思わぬ縁が「白洲次郎 占領を背負った男」につながったこと、ベストセラーになりドラマ化されたこと、「吉田茂」の評伝を書き上げ、現在安奈淳さんの伝記に取り組んでいること、これからも評伝で世の中に訴えていきたいと結ばれました。ユーモアとシリアスさを交えた縦横無尽な語り口で、話題豊富、聞いているものを自然とご自分の世界に引き込むような素晴しいご講演でした。
また、ご講演後も聴衆からの質問にも懇切丁寧にお答えいただき、充実したあっという間の2時間でした。北先生、本当にありがとうございました。
<参加者の声>(一部抜粋)
- 北先生の生い立ち、経歴等、本を読むだけではわからないことを講演で聞く事ができ、よかった。作家としてスタートするに当たって父の死が大きく影響していることも一つの収穫だった。
- 読書することの大事さを感じた。読書の習慣をなくすと、本当に何も考えなくなっている。不勉強をあらためて痛感した。
- ピンチをチャンスに変えるというような前向きな生き方の話など、とてもすばらしい講演を聞かせていただき、元気になりました。
- 昨年末新聞で伊勢谷さん主演でNHKで放送があるのを知りました。それまで、白洲次郎さんについては、何も知らなかったのですが、伊勢谷さんがとてもカッコイイのではまり、いつか白洲次郎さんのことが知りたくて、北先生の本、また青柳さんの本を読ませていただきました。今日の先生のお話は、今日連れてきた娘二人がとても感銘を受けたと思います。上の娘は小学1年生のとき、そろばんを習わせていたのですが、1級も上らず、また英会話も向いていないと言われ、辞めました。しかしいろいろな物に興味を持ち、今回シスコ、三菱電機、NTTと内定をもらいました。下の娘も中学3年間塾には行かなくても今年天高の理数科に入らせてもらいました。下の娘は姉と姉の友達に朝から夜まで遊ばせてもらって(育ててもらったと言っていいほどです)いたので、いろいろな物に興味を持っています。この3年間、天高でたくさんの友達に出会って、先生方の話を一語一句のがさず聞いて欲しいです。今日は本当にありがとうございました。
- いつもすばらしい天高卒業生のお話を拝聴させていただきありがとうございます。天高生の時の進路指導の先生の導きがベストだったんだなと思いました。わが子にも北先生に泥を塗らないよう精一杯生きるように話したいと思います。ちょうど浅田次郎の「日輪の遺産」を読み終えたあとですので、先生の本を読みたいと今思っています。
- 印象に残ったのは人の特長を伸ばす、女性の活力を利用、先人に学ぶということ。北さんの、実務から転進され作家になられた決断に敬意を表します。
- 楽しく話を聞かせていただいてよかったです。いろいろな経験があとから考えると、全部生きているということは、本当だと私も思います。ありがとうございました。
- 「感動をオブラートに包んで伝える」「立国は官でなく私である」という言葉の意味を聞き、感動しました。偉い先生なのに、分かりやすい言葉で楽しいポジティブになれるお話、ありがとうございました。帰ったら自分も、子どもをもっとほめてあげようと思いました。
- 今三人の子どもの子育て最中ですが、親として広い目でよい方向に導いていけるように努力したいと思います。子どもと一緒に社会勉強していきます。
- 話の終わりのほうに、今の日本、日本人についての話があった。確かに今の日本はその通りだと思った。将来日本を支える身として、日本を力強い活気のある国に変えていきたいと思う。
- 綺羅星の如く多数のエピソードと情報は、勉強になりました。過去や歴史、人物に学ぶ姿勢は今後のご活躍を楽しみにしております。
- 北先生の人生の経験を聞いて、いろいろなものを感じました。「人生はムダなことはない」という言葉が印象的でした。また、悪いときこそ、人は大きくなれるというようなことも教えてもらい、これからの天高での高校生活を有意義に過ごせたらいいなと思いました。
- 子どもが運動会の準備で聞けないので、代わりに聞いてきてほしいと言われて来ました。聞きにこなかったのは、もったいないなと思いました。肌で感じてほしかったです。できるだけ詳細に伝えます。中1の息子にも、本を読むよう薦めたいと思いました。ありがとうございました。
- 大変有意義な講演を聞かせていただきました。産経新聞に掲載されていた「同行二人」をとても楽しみに読ませていただき、北先生にお会いできるのをとても楽しみに待っていました。期待通りのお話の内容の厚さ(熱さ)にとても感動いたしました。単身赴任の主人も一緒にと言ってましたが、仕事のため叶いませんでした。これからのご活躍を期待しております。
- まさに「私の歩んできた道」という題どおりのいろいろなお話でした。このような先輩のいる学校で、子が学ぶことができうれしいです。今回、特に若い人に向けてのメッセージを出したいということで、白洲次郎、松下商業者の話をされました。これらの人はとても芯があります。これらを生徒、若い人に伝えていってください。(たとえば吉野源三郎「若い君達に伝えたい」)話を聞いて、感謝で生きている人と感じました。これは(松下)幸之助の大切にしていることであり、あらためて考えていきたいです。今後も感動を伝えてください。
- とても楽しくお話を聞かせてもらいました。銀行員をされていた時代から、作家に至るまであまりつながりがないのかなと思いましたが、全てが一本につながっているように思います。生き方の筋を持っていれば、どんなどん底な時であっても、人生、生きていればいろいろな経験をし、目標に向かって近づいていけるのだと勇気をもらいました。ありがとうございました。
- 天高に昔、定員割れがあったことや天高バッチがあったことなど、天高の歴史について詳しく聞かせてもらえていろいろな驚きを得ました。「世の中のために」という考えを持っていらっしゃるのがすごいと思いました。勉強したのも、人のために動いたのも全て努力は結果につながっているのだと感じました。自分の考えをしっかり持っていらっしゃって驚いたし、私のこれからの将来を考えることについてもとても参考になりました。
- 気概を持って生きたいと思えた。目標を持って「社会のために何ができるか」を考えながら何かいいことをしてみたい。この先、私の人生にも北先生みたいにいろんなめぐり会いとかで意外な幸せがやってくるのかもと思って、生きることに前向きで明るい感情を持てた。
- 今回、妹が入学したのをきっかけに参加いたしました。普段このような催しに参加することがないので、とてもよい機会だったと思います。北先生の話はとても魅力的で良い時間を過ごさせていただきました。
- 自分の天高生活からなぜ文章を書くのかまでを、ユーモアをまじえ、とても分かりやすく話していただきとても楽しかった。無駄のない流れるような話方は、一冊の本のようで作家である北先生しかできないことではないだろうかと思った。世の中、人のため、国のため、〜のため。これに尽きる。伝統校で学べるありがたさをきっと娘は社会人になって年を重ねるたびに感じると思います。この重みにこそ誇りや感謝の気持ちを忘れずに、と思います。単純作業を継続し、辛抱し続ける忍耐力を身につけ、大切にしていきたいと思います。誰かのために自分が何かをできることが幸せなんだと感謝できるように暮らして行きたいと思いました。ありがとうございました。つながっていくこと、伝えていくことは、大人の役目かと思いました。良いこと、ほめることを意識的に!!
- あっという間の1時間半でした。とても為になる話でした。北先生は輝かしい学歴をお持ちですが、偉ぶることなくユーモアがあり、人間としてとても魅力的な方でした。こんな偉大な先輩に息子が一歩でも近づけるように願っております。貴重なお話をありがとうございました。
- 本日は素晴しいお話をありがとうございました。日本人のよさ、「まじめ・勤勉・きようさ」、自分の中にもあるそういった面をこれからも大切にそして誇りに思って生きて行こうと思いました。8月のドラマ、楽しみに見せていただこうと思います。
- 人生の転機、人生の目的について大変いい勉強になりました。深い感銘を受けた講演会でした。「愚者は経験に学び、智者は歴史に学ぶ」。評伝の役割を再認識しました。
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