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平成17年10月29日
第四回「桃陰文化フオーラム」
冒険家 永瀬 忠志氏 「リヤカーマン 世界を歩く」
〜ご報告と参加者の感想〜
桃陰文化フオーラム事務局
第四回「桃陰文化フオーラム」が、10月22日(土)午前10時から、岡崎教頭司会のもと多目的ホールで開催されました。当日は朝方あいにく雨が降りましたが、9時過ぎにはあがり、馬路元校長・山崎前校長・岡校長はじめ生徒・保護者・教職員・卒業生・近隣の方々など約50名の参加者が、リヤカーを曳きながら2回目の地球一周に挑む永瀬先生の、真摯で篤実なお人柄を反映したお話に聞き入りました。
小学5年で買って貰った自転車で急に世界が広がったこと、友だちの影響で、中学時代は自転車の日帰り旅行を度々やったこと、高校になって島根県出雲〜大阪を5泊6日かけ自転車で往復し、旅のすばらしさに目覚め、大学入学後アルバイトで金を貯め、18歳のとき日本一周7500`の自転車旅行を敢行したこと。その旅の途次、ひょんなことからリヤカーに荷物を積み自分の足で歩いてみようと思い立ったこと。翌年、秋田の農村で手に入れた初めてのリヤカー「大左エ門」を曳き、北海道宗谷岬から鹿児島佐多岬まで歩いたこと。警官に不審者と間違えられたり、疲れ切って休んでいると見知らぬ人に食事を提供されたり家に泊めて貰ったり、やはり旅はゆっくりしたものであればあるほどいいと実感したこと等、その旅でのいろんなエピソードも聞き応えがありました。
その後、スライドを用いながら、今度は世界を歩きたいと思ったこと、そのため皆が就職準備をしているのに地図を見、オーストラリア大陸横断を実行するため準備にいそしんだこと。大阪で新しいリヤカー(「田吾作」)を購入し、22歳でシドニーからパースまで4200`を歩いたこと。50度を越える暑さにグロッキーになり二度と歩きたくない、今すぐ日本に帰ろうと思ったこと。しかし、次の日になり珍しい風景や動物に接するとまた歩こうと思ったことなど、ああこれこそ人生そのものだなという感懐を聴衆に感じさせる内容だと感じました。
特に老いた両親の反対を押し切って旅に出ながら、リヤカーを盗まれ旅行を中断せざるを得なくなったとき、ああよかった、これで歩かずとも済むと思ったという感想や、それにもかかわらず帰国してから資金繰りをして再挑戦し、アフリカ大陸縦断・横断を達成したこと。40分かけ200b進むのがやっとというサハラ砂漠の砂嵐の激しさとつらさ、その中での茫然自失と、とにかく足を踏み出さなければ何ごとも始まらないと体得し、一歩一歩踏みしめるように歩き始めたという体験談には心から共感しました。他にも人なつっこい村人たちとの交歓、夕焼けの美しさや夜一人で見上げる星空のみごとさも印象的でした。
熱心なお話しで、予定時間を少しオーバーしたため、最後は駆け足でこの夏の「初心に返っての」歩き旅の様子や今後の旅の予定に触れられ、終了しました。
永瀬先生にあらためてお礼を申し上げるとともに、今後のますますのご活躍を期待しております。ありがとうございました。
<参加者の感想>(抜粋)
- お話しされるおだやかな口調と苦労よりも楽しいことを取り上げようとなさる前向きな志向に学ぶものがあり、心がほのぼのとしました。「動かなければ何も変えられない!」との永瀬さんのお言葉を自分を励ますときに思い出すようにしたいです。
- 私は子育て真っ最中ですが、日々子どもと向きあう中でのヒントをたくさんいただけたと思います。始めから4万`なんて思わず、一歩一歩の積み重ねが大事なんだと思わせていただきました。冒険家と聞いておりましたので、日に焼けたしわの深いお顔を想像しておりましたが、やさしいお顔とお声で楽しい時をいただけました。感謝です。
- 19歳という若いときからずっと自分の好きな道を歩き続けてきたんだなあと思いました。どれも面白い話ばかりだったのですが、中でもアフリカ大陸の話が興味深かったです。
- 自分で決めたしたことなのに、途中でイヤになったりリヤカーを盗まれて喜んだり、けどまた行きたくなって歩いている…。同じような旅は自分にはできないけれど結局一歩ずつ何ごとも進んでいくしかないかなとあらためて思いました。とても楽しかったです。ありがとうございました。
- 歩くことの意義、四国巡礼の歩く旅、目的は違えど先生の最後の言葉、自分のできる目標・目的の積み重ねで大きな目標につながる。
- すばらしいお話しをお聞きしました。子どもと一緒に聞くことができたらもっとよかったと思っています。
- 南アフリカへ旅行しましたので、お話しの中での国名や動物の写真等懐かしく思い出し、楽しく聞かせていただきました。サハラ砂漠でのリヤカーとの戦いなど、気の遠くなる努力に感心致しました。
- 何千`の旅も400`毎の目標達成を繰り返すことによりなされる―この言葉が印象に残りました。
- 楽しい時間でした。スライドの調整が気になりました。
- 人間の目は歩くスピードでこそ「もの」が見えるのですね。自転車や電車、飛行機になると周囲のものが見えなくなってしまうようですね。見ることの大切さを教えてもらえたと思います。
- とてもいいお話しをありがとうございました。ABCラジオで少しお話しを聞かせていただいたこともあります。
- 非常に感動しました。ありがとうございました。
- 小生、74歳の男性。毎朝長居の外周路2813bを歩き走っておりますが、話を聞きますますがんばります。
- 自分のしたいことがあれば、その気になれば何でもやれるのだと分かりました。ついついまわりのしがらみで、できないような気になってしまうけれど、がんばってみようかなという気になりました。旅はいいですね。今日の出会いも大切にしたいです。
- 冒険家の気持ちは私には理解できませんが、旅は遅ければ遅いほど、楽しく意味のあるものになるんだという永瀬さんの思いを感じることができました。楽しかったです。(日常の生活ではどうなさっているのか?少し心配をしてしまいます。奥様は理解がある方ですね。)
- 「男性のロマン」のお話し、身につまされて最後まで夢中で聞くことができました。
- すばらしい話でした。生徒たちの数が少ないのが残念でした。若い人にぜひ聞いて欲しい話でした。永瀬さんの本を読んでみたいと思います。
- いろいろとご自身の経験を聞かせていただきとても楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。人生観というものを考えることができたと思います。
- なぜ苦労してまで歩くのかと言いながら諦めずにやり通す根性には感銘しました。やはり、旅は未知の人たちとの出会いや全く異なった生活環境、その国の文化に興味が尽きないところにあると思います。
- 私からしたら夢のような話を聞けてよかったです。あこがれからしてみたいと思ったことはありますが、年齢とともに夢だと思いましたが自分のやる気で実行できるということもわかりました。今後も頑張ってください。
- 穏やかに話される話の内容に引き込まれて聞かせていただきました。何事もまず夢を持つことが一番だと再認識させられました。
- めったに直接お話しが聞けない方のお話しが聞けて、すごく楽しかったです。
- 大変よいお話でした。勇気づけられました。
- 貴重なお話しを楽しくお聞きしました。自分の体一つで全能力を注いでの困難な旅であったと思いますが、永瀬さんのあたたかな豊かなお人柄に、自分の夢に挑戦されている意義を感じました。
- うらやましく思いました。自分の好きなことをできるということは幸いだと思います。でも健康と家族に恵まれていなければなりません。人それぞれ色々な人生があります。私はずっとねずみ色で涙の生活でしたが、元気が出てきました。
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